「ふぉーっふぉーっふぉー。」
耳鳴りのようにあの人の声が離れない・・・。
そう・・・。
あの人の・・・。
声が・・・。
さちこはまるで初めてK-1に出場した時の曙のように倒れこんだ。
「さ・・・ち・・・こ・・・」
・・・私を呼ぶ声がする。
意識朦朧としたさちこにもそれが誰の声がすぐにわかった。
私の求めてた声・・・
私の心安らげる声・・・
「さ・・ち・・こ・・!さ・・ち・・こ!さ・・ち・・こ!」
私の意識が自分自身の身体に戻っていくような感覚。意識と自分自身の身体に近づくにつれてその声が大きく、はっきりとしていく。
「さ・・ふぉ・・こ!さ・・ふぉ・・こ!さ・・ふぉ・・こ!」
「ふぉ・・ふぉ・・こ!ふぉ・・ふぉ・・こ!ふぉ・・ふぉ・・こ!」
「ふぉ・・ふぉ・・ふぉ!ふぉ・・ふぉ・・ふぉ!ふぉ・・ふぉ・・ふぉ!」
「ふぉーっ!ふぉーっ!ふぉーっ!」
私は黒ずくめで無表情で異常に口の大きい彼を見つめたの。
シンデレラのように!白雪姫のように!じゃりんこちえのように!
見つめたわ!
そう、気づいたら彼にキスしてたの。
いけない事だって解ってた。ブッシュ大統領に靴を投げるくらいいけない事なの。でも、爽快だったわ。ブッシュ大統領に靴を投げたことが英雄だと言われてるかのように爽快だったわ!
私・・・どうしたのかしら・・・
次回、さちこの火照ったカラダ・・・さちこのキスをした相手の正体は!の巻
”とりあえずやってみよかい”主義の私は被り物を使いまくることにしたの。昨日はあれだけ不幸だったんだもの。ちょっとくらい無茶しても神様も大目に見てくれるわよ。
それから私は被り物の事を調べたの。どうやらこれは目的を意識しながら被ると、相応しい姿になって勝手に解決してくれるみたい。
「よーし、まずはプルコギ課長に仕返しよ!」
そして私は愉快な明日のために眠りについた。
翌日、私は会社に向かっていた。もちろんカバンには例のモノが入っている。そして”オバサンが詰めた詰め放題の袋”よりもMAXな満員電車に乗っているの。
(うぅ…、何とかならないものかしら…そうよ!)
私はなんとかカバンから被り物を取り出し、おもむろにそれを被ったの。
(この圧迫感を何とかして!)
すると何故か周囲の人達が”小型犬が異常に発情しているのを見たとき”くらい苦い顔をして私から距離を取ろうとし始めたの。
どうやら私は”異臭と熱気を放つぽっちゃり系”に変身したみたい。
そこから数駅は快適電車ライフが続いていたわ。でもある男の一言によって一瞬で空気が変わったの。
「いいよなブーデーは冬でも暖かそうでよ…」
そんなギャル男の呟きに《もう一人の私》はブチ切れた。
「あんた何言ってんのよ!ブーデーはねぇ…ブーデーは確かに暖かいけど、一度冷えたら”M-1の審査員席の空気”より暖まりにくいのよ!」
そうなの!?それは私にもカルチャーショックだった。
その後は何事もなく、無事に電車を降りた私は被り物を取った。周りにいた人達は”初めて小島よしおを見たとき”くらい驚いてたけど、そんなの関係ねぇ。
そんなこんなで私は会社にたどり着いたのだった。
カクテキ課長の運命やいかに!?
↓とりあえず押してみよかい。
「それなーに?何の被り物なの?」
「これはですね、装着すれば必要に応じて顔も性格も変わる被り物なんです。今回もこれを被ればおそらくこの危機的状況を回避してくれるでしょう。そしてあなたはヒロインになれます。」
「そんな良いアイテムがあるなんて。買うわよ!!いくら?」
「お金は一切受け取りません。た・だ・し、条件があります。この被り物の力はあまりにも強大です。それゆえ何を引き起こすかわかりませんので、人を救う目的以外では絶対使わないでください。約束を破るとあなたは命を失うかもしれません。」
「条件はそれだけ?わかったわ。世の中不幸ばかりじゃないのね。」
「ふぉーっふぉーっふぉー。」
私は彼の憎たらしい笑い声を聞きながら、”スーパーで誰にも見られないように試食を喰らう人”のような速さで面を装着した。
そして、私は何かに体を乗っ取られた感覚になったの。
意識はありながらも体が言う事を聞いてくれない。
すると《もう一人の私》が勝手に犯人に話しかけたの。
「やめなさい、俊彦さん。人様に迷惑をかけてはいけないわ。」
「おふくろ!?」
彼はそう言って後ろを振り返り、私を見たわ。
どうやら私は彼のお母さんに変身したのね。
するとまたもや、《もう一人の私》が勝手に、
「私が死んでしまってさぞかし寂しかったのね。もう大丈夫よ。さぁこちらにいらっしゃい。一緒に帰ってご飯でも食べましょう。今夜はあなたの大好きな”ちらされ寿司”よ。」
「おふくろ・・・。」
彼はそれ以上何も言わずに私に抱きついてきたわ。お母さんの器の大きさに完敗したみたい。
そして、私たちは仲良く長渕剛のとんぼを合唱しながら店を出たの。
すると、タイソン・ゲイが30mを走り終えるかどうかの速さで警察に捕まったわ。
私も捕まりそうになったから慌てて被り物を取ったの。
もちろん、お母さんじゃないと知った犯人は”斜めドラム式洗濯機”を初めて見た人くらい驚いてたわ。
そんな彼をよそに、私は警察に「はい、お疲れー。」と軽く挨拶して何もなかったかのように会社に戻った。
仕事も終わり今日は疲れたから真っ直ぐ家に帰ったの。
ほんと、今日は不幸が重なったワ。
私はベッドに横になり、被り物を見つめた。
あ、これを使えばあの事も可能になるんじゃないかしら。
人助ける事じゃないけど・・・ほんのちょっとくらいいいよね?
それが、彼女の運命を大きく変えてしまうのだった。
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ちょっと聞いてくれる?
私の名前はみちこ。
今朝、同棲していた彼が出て行っちゃったの。
原因は些細な喧嘩。彼の「部屋を真っ暗にして筋トレするクセ」を注意したら怒っちゃったのよ。
それが一つ目の不幸。
ふん、あんな奴パスモの残額を勘違いして改札にはさまれちゃえばいいのよ。
そのまま仕事に行って、でも彼の事考えてたら仕事でミスしちゃった。それで課長に怒られちゃったの。彼、チゲ鍋みたいに真っ赤になって怒ってたわ。
それが二つ目の不幸。
ふん、あんな奴ピザまんをおっぱいに見立ててツンツンしていればいいのよ。
そして今、チゲ鍋課長の言いつけで私は銀行に来ているの。待合席で座っていると、隣にいた何とかのせぇるすまん風の男が私に話しかけてきたわ。
「今日は朝からツイてないんですよ。商品も全然売れなくてねぇ。」
「あなたもですか?私も今日はツイてないんですよ。朝からもうサイアクーっ!て感じで。」
「お互い大変ですよね。それよりアレ、どうします?」
男はそう言うと、カウンターの前で銃を構えている覆面をした男を見た。
それが三つ目の不幸。
私たちは今、銀行強盗の人質にされているの。
ふん、こんな奴フィリピン人に「キン〇マ野郎!」と罵られてしまえばいい。
すると再び男が話しかけてきたの。
「こんな場面にピッタリのいい商品があるんですがね。いかがです?」
そう言って男がカバンからチラ見せしてきた物は…
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拙者は訝しく思いながらもその手紙を開いた。
「 わたしのゆめ
わたしのゆめは、あおいねこのロボットにまけないくらいにんきもののロボットをつくることです
みんなからあいをいっぱいもらえるようなロボットをつくりたいです
あらい もえ 」
それは荒井ちゃんが幼い頃に描いた未来だった。
「待つっす荒井ちゃん!」
どんな言葉を掛けようと思ったかはわからない、ただ荒井ちゃんを呼びとめようと思った。しかしそこにはもう荒井ちゃんの姿は無かった。ものもらいでふさがった左目は、涙を流すことさえ許さなかった。
荒井ちゃんを追いかけようとドアノブに手を掛けた瞬間、違和感に気づいた。ノブに何か掛けてあるのだ。…それは眼帯だった。荒井ちゃんに貰った最後の愛だ。
拙者はこの愛を心の胃袋で反芻し、ある決意をするのだった。
~数ヵ月後~
超満員の観衆の中、左目に「貰」と書かれた眼帯をした一体のウシがステージに立っていた。
「最後の曲っす。聞いてほしいっす。」
……………………………………………………………
拙者はモラえもん。
あいつが耳をかじられたなら拙者は角。
そう思うだろ?
NO FICTION!
拙者は犬にかじられた。
セリフ「それでもあいつら愛くるしい」
……………………………………………………………
荒井ちゃんが姿を消した後、拙者はロックバンド「モラえもんず feat.マチャピン」を結成し、CDをリリースした。忘れていた何かを思い出させるような歌詞に人々は共感を覚え、さらに眼帯が「コワエロイ」とワイルドなセクシーさを醸し出す効果を発揮し、拙者の人気は爆発した。
「拙者、荒井ちゃんが目指したロボットになれたっすかねー?」
ライヴを終えた拙者は独り楽屋でそう呟いていた。
すると誰かが楽屋のドアを開けた。
「お前の親孝行、ちゃんと見せてモラったよ。」
その人物とは…
完
……………………………………………………………
私はテレビの電源を切った。
そして、プレイヤーから今話題の「モラえもん」のDVDを取り出し、ケースにしまった。
アニメにしか興味の無い、職場の男たちの気持ちが少しだけわかったような気がした。
「生きる希望をモラったわ。」
そう言いながら私は二つ目の顔に変身し、夜の世界へと繰り出すのだった。
完
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あいつの好物がドラ焼きなら拙者はたい焼き。
そう思うだろ?
NO・・・・やっぱYES!
嘘をつくのは拙者のジャスティスに背く事になる。
セリフ「お魚くわえたドラ牛~追っかけて~♪♪」
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ものもらいは予想以上に長引いた。
「顔が命なのに・・・こんなんじゃアイドルになれないよ。。拙者なんてどうせ失敗作なんだ。」
ものもらいに悩まされ、モラえもんの生活は徐々に荒れていった。
モラえもんは、いつしか牛専門の風俗店に通い始めた。
そこの売れっ子風俗嬢”モラミちゃん”に心の傷を癒してもらう生活が続いた。
そんなモラえもんが心配になったマチャピンは優しく声をかけた。
「モラえもん、そんなものもらいが何だって言うんだよ。ヌシはそんなハンディを覆すくらいの才能を持ってるじゃないか。神様は試練を乗り越えられる奴にしか試練を与えないんだぜ。」
「うっせぇんだよ!お前に拙者の気持ちなんてわかるわけねーだろ。拙者はな、もう一度やり直そうとしたんだ。その矢先にこれだ。もう何やっても駄目なんだよ。」
「だったら何回でも立ち上がれば・・・」
「早く出てけよ!」
モラえもんはマチャピンの話を遮った。それでもマチャピンは心配そうな顔をしながらこれ以上は何も語らず出て行った。
「ちくしょー。」
モラえもんは部屋に転がったビールの空缶を壁にぶつけた。
さらに数日後、しっぽの色を金色に染め、完全にヤンキー化したモラえもんの元に荒井ちゃんが訪ねてきた。
「おう荒井じゃん、久しぶり~。何しに来たの?もしかしてお前まで説教?サムー。」
荒井ちゃんは今のモラえもんには何言っても無駄だなと確信し、無言である一通の手紙だけを置いて去っていった。
「なんだアイツ・・・。」
モラえもんはその手紙を手にとり、読み始めた。
どうやらある幼い少女からの手紙だった。
その手紙の内容とは!?
次回がきっと最終話!!
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拙者もあいつも怯えてる。
あいつがネズミなら拙者はゴキブリとかクモ。
そう思うだろ?
NOU SIKKAN!
狂牛病が何より怖い。
セリフ「肉骨粉に拙者プンプン!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
荒井ちゃんが来てから一週間後の事、拙者は牛小屋のジュークボックスでお決まりのナンバーを聞きながらホットケーキを楽しんでいた。
「やっぱりホットケーキには牛乳っすよねー。」
そう言いながら愛用のマグカップに自らの四次元乳から搾りたてのアイラヴユーを注いでいると、この2DKの牛小屋をシェアしているルームメイトのマチャピンが拙者の部屋にやって来た。…マチャピンの目は真っ赤に泣き腫らされていた。
「ギョギョ!マチャピンどうしたんっすかー?」
「ヌシのせいで…!ヌシのせいでワシの人気は…オヨヨ~ン!」
それだけ言うとマチャピンは部屋から走り去ってしまった。そう、荒井ちゃんの計画を実行した拙者は今や町の人気者になっていた。それとは対照的にマチャピンは人気どころか知名度さえ限りなくゼロに近かった。拙者は心の中で「この戦いモラッたな」と思っていた。
しかし運命とはいつもKY(空気読めない)なものだ。
町に前代未聞の量の花粉が到来し、町の人々は全員花粉症で鼻が利かなくなってしまった。最強の矛を奪われた拙者は、身体が大きくて邪魔だというマイナスファクターだけが残り、拙者はKY(こっちに寄らないで)ロボットと呼ばれるハメになっていた。
一方マチャピンは体を張って色々な事に挑戦するという芸風が受け、今や時代の寵児となっていた。彼が部屋を出て行くときに拙者に見せた、あの冷え切ったチゲ鍋を見るような目が忘れられない。夕焼け空の下、拙者はトボトボと誰もいない道を歩いていた。
拙者は昔見たアニメのセリフを思い出していた。それは「目が前に付いているのは何のためだと思う?前へ前へと進むためさ」というものだった。青い猫型ロボットのアニメだ。
「…そうだ、マチャピンに負けてらんないっす!」
そう言って拙者は顔を上げた。
するとなぜか左目にものもらいが出来ていた。
そしてこのものもらいが奇跡を起こすのだった。
………………………………………………
次回、ついに運命がモラえもんを究極の人気者にする!
↓もうすぐ秋ですね。そう、栗ックの季節です。
あいつは青色だから拙者は赤色とか黄色。
そう思うだろ?
NO MORE CRY!
水うんこ色だ。
セリフ「普通のうんこじゃ物足りない。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
事件の数日後、拙者が牛小屋でコーヒーとチーズケーキの優雅なアフタヌーンを楽しんでいると、拙者を開発した”いっつもスランプ・荒井ちゃん”が訪問してきた。
彼は走ってきたらしく、夏にチゲ鍋を食べた時くらい汗をかいていた。
「モラえもん、外に出てコレを見てくれ!」
「え・・・何スカ?」
言われるがままに外に出てみると大きな物体がそびえ立っていた。
「何だかわかるか?」
「みりゃあわかりますよ。クローン牛じゃないっすか。」
「いや、よく見てみろ。動いてないだろ?」
「あ、ほんとっすねー。じゃあ人形っすか?」
「まぁ、おしいかな。これはな、お前そのものだ。ここからが重要だから良く聞けよ。」
荒井ちゃんは説明し始めた。つまりはこういう事だ。
モラえもんは、身体が焼けると良い匂いを発し、全ての人間を魅了する事が出来る事に気づいた荒井ちゃんは、これを何とか活かせないかと考えた。
ある日、荒井ちゃんは幼少の頃見たアニメを思い出した。そのアニメでは、お腹の空いた子供に、あんぱんで出来た自身の顔の一部をあげて、その子供をすくい、自身は顔を新しい顔に交換する事で甦るという感じのストーリーだった。
本物志向の荒井ちゃんは、モラえもんの皮も身も本物を使用していた。そこで、スペアをいくつも作る事で、人間にいくら食べさせても平気であり、モラえもんを人気のロボットにする事が出来ると考えたのである。
「なるほど。それは良いアイディアだと思います。でも、拙者は名前の通り、モノをもらって生きるロボットであるべきなんじゃないんスカ?」
「モノをもらうのは”モラいもん”だろ?お前は、自分の身を半ば強引にもらえよっていう意味で・・・・。」
「そういう事だったんスカ!!すげーッス。」
荒井ちゃんが必死に誤魔化そうとしているので拙者は納得する事にした。
”KYロボット”とは呼ばせないぜ。
こうして、モラえもんは真の意味でモラえもんになった。
真のモラえもんになったのも束の間、また、とある事件に巻き込まれる。
その事件の内容とは?
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妄想ふたり
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男の人と目が合う旅に想像妊娠しちゃいます
